アスミック・エースとフジテレビが共同製作、昨年12月11日から東宝の配給で劇場公開された「ノルウェイの森」(原作村上春樹、監督トラン・アン・ユン、出演松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子)が現地配給会社Huayuにより中国全土で公開されることが決まった。
中国本土においては外国映画の劇場公開がいまだ自由化されておらず、ハリウッド映画を含めて年間50本程度の認可枠の中で作品が選定されて、劇場公開されるという狭き門。日本映画では、アニメーションを除くと年間1〜3本程度の公開本数であり、その大半がファミリー向け中心の娯楽作品である中で今回、中国当局が「ノルウェイの森」に対して上映認可を出したことは異例の快挙ともいえる。
この劇場公開認可の決定を受けて、急遽上海国際映画祭(6月11日〜19日)でのプレミア上映を決定、非コンペ部門"JURYS SELECTIN"(審査員セレクション)で中国当局の検閲が入らないオリジナルのままで上映されることになった。上映は6月19日のクロージング・デイに上映されることになり主演の松山ケンイチが急遽出席することになり、クロージング・セレモニーの授賞式でプレゼンターもつとめる。また、トラン・アン・ユン監督はコンペティション部門の審査員として同映画祭に参加している。
(全文は2011/06/13発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)