文化放送の三木明博社長は5日、要旨次のような年頭挨拶を行った。
一、ネット上での相次ぐ「情報流出」は「表現の自由」の根幹をなす「透明性・責任性・モラル」といった議論が充分になされないまま技術面のみが進んでいく「ネット社会の危うさ」と同時に、その裏で徐々に進行しつつある「既存メディア」に対する不満と不振の現れでもある。そしてメディアについてもまた「成熟さがもたらす停滞」と「インターネットを使った多メディア化の奔流」から抜け出す出口が依然として明確に見えて来ていない。
一、そうした中で、ラジオについて言えば一筋の光が見えつつある。それが「ラジコ」であり、「デジタル化に向けた新しい展開」だ。「ラジコ」については、難聴対策だけでなく若年層を中心とした新たな聴取者の獲得と、パソコン等で受信させることによって多彩な広告運動を可能にすかるなど、広告主にラジオの聴取実態を「可視化」させたことに大きな意味がある。さらに「ラジオのデジタル化」であるが、「V―Low帯における音声優先セグメントに対する参入希望調査」を行ったところ、全100社中96社が参入を希望し、残り3社も条件が整えば参入したいとの意向であり、今後の「制度設計」に向けて大きな力となることは確かである。
(全文は2011/01/10発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)