電通の石井直社長は4日の平成25年新年仕事始式で要旨次のように挨拶した。
一、昨年開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、国と地域を超えて、世界中の人々に大きな活力をもたらした。今年9月には2020年大会の開催都市が決定することになるが、2020年にはぜひ、東京から、日本と世界に感動と希望を届けるべく、電通グループもできる限りの取り組みを重ねていきたい。
一、電通グループは、29の国と地域でビジネスを展開する企業集団であり、グループ各社が提供するサービスは極めて広範に及ぶが、どれほどグループの裾野が広がろうとも、「顧客の最良のパートナーとして、顧客と共に成長する存在であり続ける」という目標が揺らぐことはない。顧客と我々を取り巻く環境変化がそのスピードと激しさを増す中、我々は、電通グループ自体の構造改革なしには、顧客と共に成長することなどできない、という覚悟を強く持つ必要がある。
一、近年、我々の顧客の多くは、グローバルを舞台とした成長機会の獲得に極めて大きな力を注いでいる。当社グループのグローバル基盤強化は、こうした顧客の取り組みを支援する上でも必然であり、昨年から進めているイージス・グループの買収手続きについても、できる限り早く完了させたい。
一、我々が取り組むべき本質的な構造改革とは、一朝一夕に成し遂げられるものではない。しかし、もとより電通は、その112年の歴史の中で変革と挑戦を重ね続けてきた企業であり、変革と挑戦をいとわず、懸命な努力を惜しまない気質がある。それこそが、電通グループのアイデンティティーそのものである。
一、変革と挑戦をいとわないというアイデンティティーを失うことなく、2万2千人を超えた電通グループの一人ひとりが力を尽くし、顧客の期待に応え続けることができれば、私たちは必ず、「顧客による挑戦とその成長の舞台には、必ず電通グループがいる」と言っていただける存在になれるはずである。それは、我々にとって、新たなフロンティアを切り拓く、電通グループ自身のイノベーション実現に向けた挑戦でもある。グループが一丸となって力を合わせ、ぜひとも、この挑戦を共に成功させたい。