テレビ朝日の早河洋社長は10月30日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、この1年くらい当社は、広告会社、広告主等から、元気で明るくなったと言われている。視聴率だけではなく、経営ビジョンの1つに掲げた企業風土の改革の成果が出ているということであれば、嬉しい限りと受け止めている。
一、4月クール、上期の視聴率が確定した日は、いずれも編成の部屋に大勢の社員、関係者が集まった。上から命じたわけではなく、自然発生的な現象で、100人、200人規模だったと聞いている。社内の風通しを良くするために、これまで社員バンドの結成、社員が作る社歌の制定、全社の職場対抗ゴルフ大会、私自身が職場を回る「社長ちい散歩」と称しているもの、食堂Barでの私と若手社員との飲み会等々、いささかアナログ的ではあるが、いろいろトライしてきた。そうした企画の効用があったのかもしれない。
一、少なくとも社員、スタッフの熱い気持ちが、モノ作りの現場を後押ししていることは間違いない。こういうことから制作現場としては、この雰囲気を大事にしながら視聴率競争に立ち向かってもらいたい、そんな想いを抱いているところである。
一、9月の売上げは、タイムが前年比110%、スポットが91・8%、トータル100・4%で確定した。タイムは前年を大きく上回る数字になっているが、これは9月11日に放送したサッカーの日本対イラク戦、それから、通常は7月に開催される「全英リコー女子オープン」がオリンピックの影響で9月に開催されたことなどが反映されている。スポットは8月に続いて広告市況の一時的な停滞で91・8%にとどまった。
一、10月の営業売上げはタイム93%プラスアルファ、スポットが93%プラスアルファ、営業局トータルで93%プラスアルファで推移している。タイムはレギュラー番組の視聴率が好調のプライム帯の番組を中心に値上げに成功するなど順調にセールスすることができた。また、フィギュアのグランプリシリーズは、アメリカ・カナダ大会が始まっているが、12月のグランプリファイナルに向けて、会社全体で大いに盛り上げていく。同時にタイム予算の大きな柱であるために、セールスにも期待している。タイムのセールス状況が前年を下回る見込みとなっているが、これは昨年の10月に1社提供の2時間ドラマがあったことやサッカーの「キリンチャレンジカップ2011」とか「FIFA W杯ブラジルアジア地区3次予選」という大型案件があり、売上げが立ったわけだが、今年はそうしたものが10月には続か少ないことが要因だ。スポットは、東京地区で需要の停滞が続いているが、8月、9月が底になっていて、10月から回復基調になってきている。
一、11月のセールス状況は、タイムが86%プラスアルファ、スポットが75%プラスアルファ、営業局トータルで80%プラスアルファで推移している。