テレビ朝日の早河洋社長は3日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、4月クール平均視聴率は、全日、ゴールデン、プライムでトップとなった。当社独自で運用しているプライム2を合わせると開局以来初の4冠を達成した。これは、サッカー、フィギュアなどスポーツの爆発力、バラエティの勢い、「報道ステーション」、夕方ニュースの2つのベルト番組の健闘、リピートや映画で示された「相棒」の衰えないコンテンツ力などが貢献した。編成が各現場をうまくリードし総合力を発揮した結果だ。1クールとはいえトップになったことで、編成、制作現場は喜んでいるし、士気が上がっている。しかし、7月クールもこの流れを持続できるとは楽観視していない。オリンピックは視聴率の変動要因になるし、他局は長時間テレビなど強力なラインナップを揃えている。夏の間にいくつかの区分で追い抜かれても、夏の厳しい戦いを耐えて、秋口から反転攻勢に出たい。当社はチャンピオンではなくチャレンジャーである。守りではなくチャンスを見つけて攻め続けるという気持ちで、今後戦っていきたい。
一、サッカーは、ワールドカップドイツ大会アジア最終予選が平均40%台の視聴率が3回、平均すると36%くらいあったが、南アフリカ大会は17%弱くらいだったので、心配していた。しかし、香川選手、本田選手、長友選手などヨーロッパで活躍している選手が入ってきて最強の日本代表のような形になり、それがサッカーファンに受け、30%を超える3番組ができた。それが牽引している。もうひとつは「相棒」午後帯のリピートなど、16時台は必ず10%以上を獲り、シェアも35〜40%を獲り、それが夕方のニュースの流れにつながっている。その部分でいうとF3層、高齢層をたくさん取り込めた。サッカーは30%というと全階層が見に来てくれている。それが引っ張って、勢いがついているバラエティがコンスタントな視聴率を獲るというように、いろいろな層から支持されたということだ。
(全文は2012/07/11発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)