日本映像ソフト協会(JVA)は16日、統計調査委員会(委員長・八十河恒治ポニーキャニオン営業本部レンタル営業部長)が今年6月に郵送アンケート方式で実施した、「ビデオレンタル店実態調査」の調査結果をまとめ、次のように公表した。
同調査は、JVAのレンタルシステムに加盟するレンタルビデオ店(ネットレンタルや自動レンタル機器によるレンタルを除く)を対象に毎年行っているもので、今回(第27回調査)も12年6月〜13年5月の1年間の実態をまとめ「調査報告書」として公表したもの。3485票の送付に対する740票の回答を基に文化科学研究所が集計分析。JVA管理部広報課を通して調査結果の概要を公表した。
八十河委員長は今回の調査結果について、「委員長に就任して1年半、初めて明るい報告が出来る。それは、新作料金が9年ぶり(04年以降初めて)に上昇し、月平均売上が前年実績を上回ったことから、レンタル市場は回復基調に入ったと言える状況になった」と報告。上田直子管理部次長兼広報課長が要旨次のように主要項目の説明を行った。
まず、ビデオレンタルの月平均売上については、総売上は552万円で前年比104・9%と前年実績を上回った。このうち、DVDレンタルは104・3%の535万円、BDレンタルは134・4%の21・5万円、VHSレンタルは0・6万円という平均売上となった。BDレンタルは昨年同様の伸長は見せているものの、金額自体がまだ小さく、全体売上比率の底上げにはなっていない。ちなみに、各店舗のレンタル実施率は、DVDは100%、BDは93・9%の店が実施と順調に拡大しているが、在庫数がDVDの50622枚(前年比112・8%)に対し、まだ1439枚(同115・8%)と少なく、月平均貸出数もDVDの36596枚(同105・2%)に対し1095枚(同140・9%)と、まだ全体の3%に留まっており、実施規模はDVDに比べるとまだ小規模に留まっている。
また、VHSはレンタル実施率が僅か17・7%にまで縮小。在庫も20本未満が約半数(48・9%)であることからも、一般的なVHSレンタルは、その役割を終えつつあるとしている。
貸出料金(単価)をみると、新作1泊2日の平均で336円と、前年よりプラス6円(前年比101・8%)で、04年以降初めて上昇に転じた。そのほかの貸出期間でも新作は、昨年より平均金額が上昇。新作に関しては貸出金額単価の低下に歯止めがかかっている様子が見てとれる。
一方、旧作については1週間料金単価が132円で前年から15円もマイナスになるなどして、メリハリを付けた料金設定になった感があるとしている。また、キャンペーンは昨年より多い83・3%の店舗が実施しているが、月に2〜3回程度実施している店舗が28・6%から21・3%に減少し、月一度程度実施している店舗が34・6%から41・9%に増加しており、キャンペーンの実施頻度は低下している様子がうかがえる。
JVAでは、前述のように月平均売上金額が535万円で前年比104・3%と伸長したDVDについて、前年は貸出枚数は上昇したものの、レンタル料金の低価格化が影響して売上金額は反対に減少する結果となったが、今年度は貸出枚数が前年比105・2%と増加し、この増加に対応するように料金の上昇により売上金額も増加するという、薄利多売傾向に歯止めがかかったと評価している。