JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)は、2013年度9月期(7〜9月期)の分配実績をまとめ、6月期と合わせた13年度上半期(4〜9月)の分配実績は、総額で527億8千万円に上ったと発表した。
9月期の分配額は前年同期比98・4%、4・4億円減の263・2億円にとどまったが、6月期の増により、上半期の分配額は同101・8%、9・4億円増の527・8億円となった。
その内訳は、「演奏」が同105・1%、11・9億円増の247億円、「録音」が同じく102・8%、5・2億円増の189・9億円と、柱となる「演奏」及び「録音」使用料の分配額が共に前年実績を上回った。ちなみに、この「演奏」のうち、「演奏会等」は同134・5%の23億円、「カラオケ」は同99・8%の66・4億円、「放送等」は102・4%の133・7億円、「有線放送等」は同145・2%の9・5億円のそれぞれ。また、「録音」のうち「オーディオディスク」は同102・1%の70億円、「ビデオグラム」は102・8%の107・2億円であった。
この「演奏」と「録音」のほか、「出版」は同93・6%の6億円、「貸与」は77・4%の16・9億円、「複合」は97・6%の67・5億円(通信カラオケ104%の31・7億円、インタラクティブ配信92・5%の35・7億円)、「私的録音録画補償金」は同25%の0・2億円であった。
「演奏」のうち「演奏会等」は、使用料規定の経過措置が昨年3月で終了し、適用料率が総入場料基準算定額の4%から5%になったことと合わせ、催物件数の増加などによって、前述のように(34・5%増)分配額の伸びが続いている。また「カラオケ」は、社交場の市場縮小が続く一方で、カラオケ歌唱室は契約件数が増加し、微減(0・2%減)にとどまった。さらに「放送等」は、民放テレビなどの使用料増が反映され、2・4%、3・1億円の増となった。
「録音」のうち「オーディオディスク」は、シングルCD、アルバムともにヒット作があり、前年同期を2・1%、1・4億円上回り、「ビデオグラム」は9月期はヒット作が少なかったものの、6月期に音楽ビデオやゲーム・パチンコとも好調だったことから、2・8%増、2・8億円の増となった。
「複合」の「通信カラオケ」は、情報量の高い新機種への入れ替えが進んだことによる使用料増が反映され、4%増、1・2億円増えた。また「インタラクティブ配信」は映画やゲームなど動画配信に伴う音楽利用は増えているが携帯電話向け従来型音楽配信や着信音サービスの市場縮小を補うには至らず、前述のように(92・5%の2・9億円減)分配額の減少が続いている。