連合通信ドットコム - 売上高10％増の３４３億円も費用嵩み増収減益決算に　新中期計画もパッケージ売上と権利ビジネス追求　キング、重村社長ら幹部が24年度営業実績等報告

売上高10％増の３４３億円も費用嵩み増収減益決算に　新中期計画もパッケージ売上と権利ビジネス追求　キング、重村社長ら幹部が24年度営業実績等報告

投稿日時： 06/26

　キングレコードは24日、重村博文社長をはじめ、営業担当の長谷川律夫取締役、経理担当の長谷川將剛取締役が出席して、６月17日開催の定時株主総会で承認された平成24年度（第62期）決算業績の発表を兼ねた記者懇談会をホテル椿山荘ＴＯＫＹＯで開催。24年度（24年３月21日～25年３月20日）の営業実績や25年度の営業目標、４月からスタートした新３ヵ年計画等について発表を行った。
　まず、当期営業実績については、総売上高（正味金額）は前年度を10％上回る３４２億86百万円となり、過去最高売上を更新。オーディオソフトがＣＤ売上の二桁増（15・２％増の１３７億10百万円）もあって前年度を14％上回る１４０億21百万円を計上（ＭＴは78・１％の３億11百万円）。ビデオソフトは、ＤＶＤ（８・９％増の87億17百万円）、ＢＤ（19・１％増の44億98百万円）とも好調に推移し、合計で前年度を12・２％上回る１３２億15百万円を売上げた。また、雑売上も前年実績を大きく上回る４億２百万円を売上げ、キングレコード本体の年間実績は、前年度比１１４・５％の２７６億38百万円を計上。
　これに、受託の12億36百万円（前年比86％）、音楽配信等の版権売上54億12百万円（同96・９％）を加えた総売上高は、前述のように前年を10％（約31億円）上回る過去最高の３４２億86百万円となった。
　当期は、期中の５作（「真夏のＳｏｕｎｄｓ　Ｇｏｏｄ！」から「Ｓｏ　ｌｏｎｇ！」まで）を含め11作連続でシングル・ミリオンを達成したＡＫＢ48はもとより、一連のライブＤＶＤ＆ブルーレイ（「ももクロ春の一大事２０１２～横浜アリーナ～」ほか）やシングル・アルバムでヒット作を連発したももいろクローバーＺ、同じくアルバムやブルーレイなどで貢献した水樹奈々、新人・福田こうへいほか歌謡曲系も健闘し、14年ぶりに前年実績を上回った業界全体のパッケージ売上の底上げに貢献した。
　その一方で、音楽配信など版権収入が前年を下回り、売上原価や販管費が更に増えたことで前年に続いて減益となり、決算としては増収減益となった。
　今期（25年度）の売上については「昨年秋の予算設定時には未定だったエヴァンゲリヲン新劇場版:Ｑや、ももクロ、田村ゆかりらのライブＤＶＤ＆ＢＤ、選抜総選挙で７万人を動員したＡＫＢ48の最新シングル（さよならクロール）、水樹、うたの☆プリンスさま～など今期も好スタートを切った（５月度のオリコン・メーカーシェア第１位）が、目標（予算）としては２５０億円を掲げて厳しい市況に対応していく」（重村社長）という。
　一方、昨年秋から社員のヒアリングなども行ってきた新３ヵ年計画については、「今年２月の組織改定で制作と営業体制の見直しを行い、第三クリエイティブ本部の再編や営業の２本部制への移行、開発営業の強化などを行った。これら一連の見直しの中でアニメや宣伝等についても改編したが、秋には第二次の改革を行う予定。さらに関連会社のベルウッドは浅沼社長の下（兼任）で更なる拡充を図り、インターナショナルも社長兼任の竹中取締役に在庫処理を中心に経営改革を進めてもらう」とコメント。全体としては、第二次中期計画も「引き続きパッケージ売上の確保と権利ビジネスの拡大を掲げ、適宜見直し等も行いながら、業界発展につながる業績の追求に努めていきたい」と語った。

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