演奏生活50周年記念公演を行った翌年(02年)、脳溢血で倒れ、2年半後に"左手のピアニスト"として奇跡的に復活。引き続きフィンランドを拠点に新しい音楽世界を切り開いてきた舘野泉(たてのいずみ、75歳)が、演奏生活50周年を記念するピアノ・リサイタルを今秋から来年にかけて国内4ヵ所で開催することが決定。併せて、現在契約しているエイベックス・エンタテインメント(AEI)から新録音盤、かつて契約していたEMIミュージック・ジャパンから、そのコンプリートBOXとセルフ・セレクション盤が10月20日に一斉発売されることが決定した。
舘野泉は、60年に東京芸大を主席で卒業後、その年の9月にデビューリサイタルを行い、64年よりヘルシンキに移り住む。日欧など世界各国で3千回以上のコンサートを行うが、絶頂期の02年に脳溢血で右半身不随となり、再起が危ぶまれたが、不屈の精神で乗り切り、04年5月、左手による演奏会で復帰。その左手のために間宮芳正、ノルドグレン、林光、末吉保雄、吉松隆、谷川賢作、cobaといった第一線で活躍する作曲家が、次々と作品を献呈。その奇跡の復活が、NHKハイビジョン特集やTBSドキュメンタリー番組などで取り上げられた。
(全文は2010/8/4発行の「連合通信レコード速報」に掲載)