ユニバーサルミュージック合同会社
CEO兼社長　小池　一彦

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年はミュージック・カンパニーという、トレンドを扱う業種ならではの辛苦を味わった一年となりました。
振り返りますと、私が社長に就任させて頂いたのが 2007年。就任直後の3年間に、音楽業界では「着うた(R)」がピークを迎え、その後の3年間ではK―popが大ブレイクしました。皆様に支えられながら、幸運にも当社はこのようなトレンドの中心を占めることができたのです。

しかしトレンドの中心にいるということは、それだけ流動性が高いというリスクをはらむことになります。昨年はその負の面が表出しました。スマートフォンの浸透によるデジタル・ビジネスのプラットフォームの変化、そして昨夏からの日韓関係の緊張といった状況は、従来のトレンドを一変させ、当社の業績を直撃することになりました。

では、今年はどうすれば良いか。トレンドが変わったのであれば、新たなトレンドを創っていくしかありません。私は、それがメジャー・カンパニーに課せられた使命と感じており、準備を進めています。デジタル・ビジネスに関しては、同業他社の皆様とも連携してサブスクリプション型の音楽サービスを必ず軌道に乗せたいと考えておりますし、音楽面では、今期デビューさせるAMIAYA、ケラケラなどが音楽シーンに新しいトレンドをもたらすと確信しています。
そして、このタイミングでEMIミュージック・ジャパンとの統合が行われることを非常に心強く感じています。共に音楽を愛し、歴史的なアセットを所有し、国際的に展開する2社の結束により、刷新的な音楽トレンド、画期的な音楽サービスが、近い将来きっと生まれると思っています。
トレンドは移ろい、更新されていくべきものですが、その我々に課せられた使命を可能にするのは、従業員の不断の努力と、関係各位の皆様の変わらぬ御支援に他なりません。今年はEMIミュージック・ジャパンも迎え、史上最大にして、最高のレコード会社として皆様に認めて頂けるよう精進していく所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。