連合通信ドットコム - EMI統合は“近い内”に明確な方向性打ち出す＝12年はまずまずの成果、新人育成・配信強化など

EMI統合は“近い内”に明確な方向性打ち出す＝12年はまずまずの成果、新人育成・配信強化など－UM、小池CEOが12年の総括と13年の事業方針

投稿日時： 12/07

ユニバーサルミュージック(UM)は4日、「2012年冬メディア懇親会」を東京・日本橋の「マンダリンオリエンタルホテル東京」で開催、小池一彦CEO 兼社長が「12年総括と13年の事業戦略(経営戦略、EMI統合進捗、A&R強化、ニュービジネス等)」について、経営幹部が「13年注力アーティスト・作品、注力事業」についてそれぞれプレゼンテーションを行った。

小池一彦CEOのプレゼンテーション概要は次の通り。

「総括すると、パッケージについては対前年比1・3%増で、ヒットは出たが市場の逆風にはなかなか勝てず、非常に苦戦したといえる。しかし、新しい面もどんどん出てきているので、会計年度最終月の12月が終わるまで気を抜かずに頑張りたい。世界的にパッケージの売上は6～10%下がり、配信は2桁成長した。日本は色々な要因があるが、世界のマーケットとは異質の動きをしている中、当社の核となるヒットを作り、人気アーティストを作ることが奏功し、ゴールド認定以上のシングルが11作品、アルバムが12作品と、なかなか良い結果が出た。特に洋楽全体が低調の中、当社洋楽は頑張った。新人ではカーリー・レイ・ジェプセンがネットという新しいプロモーション手法を駆使し、全国のラジオ局のサポートを得て売上20万枚に近づいている。また、世界のユニバーサルミュージックグループで競い合っている「パッケージ+配信=10万枚相当以上」という世界基準において、ロックから洋楽、アイドルと幅広く、7組(M OOJA、GiLLE、back number、LMFAO、カーリー・レイ・ジェプセン、ニッキー・ミナージュ、SDN48)をブレイクさせることができた。ニュービジネス(マーチャンダイジング、SMP=企業間取引、コンサート)は順調で18・5%の成長を果たした。

今年の10月1日にEMIが当社に加わったが、日本では年末まではそれぞれの目標達成に向けて個々の会社として活動していく。両社の統合については近い内にハッキリとした方向性を打ち出す。オフィスは青山と赤坂の2オフィス体制だが、各部署の都合と効率を考えて1～3月の間に移動を完了する。営業所については、2月には(大阪以外は)UMの営業所にEMIが入る形で統合を図る。

13年の新人については、HKT48、髙橋みなみ、AMIAYA、ケラケラの4アーティストを中心に展開する。中でも、ケラケラは当社が昨年から展開している独自の制度で、あるアーティストをインディーズから着目し、先行投資をして契約に結びつけるという「育成ファンド」出身の、非常に高いポテンシャルのあるアーティストである。

配信については、日本は世界とは違うトレンドで動いている。レコチョク等のアラカルトダウンロード(DL)の不調があり、世界の潮流に追いついていない。世界はアラカルトDLも行っているが、サブスクリプション(聴き放題)サービスに大きく舵を切っている。年初から非常に好調で、アメリカは2桁台、イギリスも好調でパッケージのダウンを補っている。当社もサブスクリプションサービスを強化したい。レコチョク、Music Unlimited、BeeTVに積極的に協力し、市場を形成していきたい。来年も引き続き、情熱を持ってヒット作りに励んでいきたい。これが一番の発火点となる」。

小池社長に続いて、行方均EMIミュージック・ジャパン代表取締役会長が「12年の総括と13年注力アーティスト」について、その後「UMの13年注力アーティスト」について藤倉尚副社長兼執行役員(邦楽)と加藤公隆執行役員(洋楽)が、「13年のアニメ事業の取り組み」について喜本孝副社長兼執行役員がそれぞれ説明した。

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