JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)と日本アフィリエイト協議会は、アフィリエイト広告サービス提供事業者(以下ASP事業者)と連携して、アフィリエイト広告収入を目的とする違法音楽配信による著作権侵害の解消と発生防止、および健全なASP事業の発展を図るため、次の著作権侵害対策を実施することで合意した。
今回合意した対策は1.アフィリエイト広告を掲載している違法音楽配信サイトに関する情報共有、2.違法音楽配信サイトの運営者に対する警告、3.同サイトのアフィリエイト広告の掲載停止、4.同サイト運営者に対する広告料の支払い停止の4点。
これは、違法音楽配信サイト「第3世界」における著作権違反事件に象徴されるように、広告収入を得る目的で違法配信サイトを開設する者が後を絶たず、著作権侵害の温床となっていることから今回、ASP事業者と連携して対策を実施することにしたもの。
JASRACはこれまで、プロバイダ責任制限法に基づき違法ファイルの送信防止措置要請を継続して行ってきたが、これは違法ファイルがアップロードされてからの事後的な対応とならざるを得ないため違法音楽配信の根絶につながってこないこと、また違法ファイルの送信防止措置要請を継続的に実施することが権利者には大きな負担となっているのが実情だという。一方、ASP事業者にとっては違法音楽配信サイトにアフィリエイト広告を掲載することが、違法な事業を事実上支援することにもつながり、ひいてはアフィリエイト広告事業全体に悪影響を与えかねない状況であることから、協議会としても対策を検討してきた。
こうした状況を踏まえ、JASRACと協議会及びASP事業者は今回、前述のような対策を実施することで合意し、連携しながら着実に進めていくことにしたという。