藤あや子(ソニー・ミュージックダイレクト=SMDR)が9日、「江戸の華」として称えられる三社祭で有名な東京・台東区の浅草神社を訪れ、その華やかさ、勇ましさにあやかり、デビュー25周年の感謝のお礼詣りと、今後一層の活躍をファン200人と共に祈願した。
藤あや子は「人生設計の中で“演歌歌手”はなかった。秋田でいずれは民謡歌手の先生になると思っていた。上京したのは26歳、こんなに長く歌手生活を送れるとは」と感慨深げに語り、「デビュー当時のキャンペーンでは忘れられない色々なことがあった。誰もいないのではと不安になった熊本県の田んぼの中の一軒家で歌い、北海道の牧場では、人よりも多い牛の前で歌った。また、昼間に全国の歌声喫茶を回った。2人、5〜6人、20人、30人と集まる人がどんどん増えていくのが励みになった。思い出が膨らんで胸に迫る思い」と、現在の基礎を築いた当時の活動を振り返った。
今年は、自ら歌った、NHK・Eテレのアニメ番組「リトル・チャロ東北編」の主題歌「わすれない」では作詞を手掛け、他の歌手には作曲の提供も行った。25周年となる来年は記念企画を模索中というが、1月23日には文芸作品第1弾として、林芙美子原作「浮雲」をモチーフに作られた悲しい運命の女の愛情を歌った「浮雲ふたつ」(詞・曲=美樹克彦、プロデュース=酒井政利)をリリースし、新たな一歩を踏み出す。
18回目の出場が期待される紅白歌合戦については「受験勉強の結果発表を待つみたい。祈りながら待ちたい」と淡々と語り、「あと5年、あと10年など、決めないことにした。電池が切れるまで歌いたい」と笑顔で締めた。