奄美の伝説の歌手と称される朝崎郁恵(テイチクエンタテインメント)が、喜寿の誕生日となった11日、東京・大田区の池上本門寺の本殿で「喜寿の祝いコンサート・あはがり」を開催した。
奄美シマ唄の継承者である朝崎郁恵は「奄美のシマ唄を後世に伝えていくことが私の使命。私がいなくなれば、そのまま消えてしまう唄があるかも知れない。だからこそ、年を重ねてより頑張って唄を届けたいという気持ちが強くなる」と、今年も各地でのライブに加え、伊勢神宮神嘗奉祝祭という栄えある舞台から、全校生徒わずか12名という故郷の小中学校でのアットホームな演奏会まで精力的な活動を続けてきた。CDは「あはがり」(テイチクE)と「かなしゃ 愛のうた」(花富レコード)の2枚をリリース。「あはがり」はNHK―BSプレミアム「新日本風土記」のテーマ曲としてOAされるなど、より多くの人々が朝崎郁恵の音楽に接する機会も増えている。
彼女はまた、音楽ジャンルを超越したアーティストとしても知られており、「喜寿祝いコンサート」では三線などの伝統楽器の他にもピアノ、ギター、ハーモニカなど、多様なミュージシャンをゲストに迎え全21曲を披露。「奄美の伝統文化を守るために、老いてなお果敢に挑戦する、そんな確固たる気概と、祝祭の和やかさが同居するステージ」(テイチクE)で400人の観衆を魅了した。