馬場俊英(ワーナーミュージック・ジャパン=WMJ)の新曲「弱い虫」(11月7日)のミュージックビデオ(MV)が完成、YouTubeの公開も始まった。テーマは、現代社会の不条理な現実とそこに生きる家族。手掛けているのが、代表作「振り子」がYouTubeの再生回数300万回を超え、お笑い芸人としてだけでなくパラパラアニメ・アーティストとして世界的に評価されている鉄拳とあって、話題が話題を呼び始めた。
「弱い虫」は昨年のツアーで初披露。ライブでの人気は群を抜き、CD化が熱望されていた。同曲のメッセージ性を生かすMV制作について、鉄拳作品を見た本人とスタッフがこれしかないと鉄拳に依頼。数々のオファーが殺到する中、楽曲の深遠なテーマに感銘を受けた鉄拳が快諾、制作期間1ヶ月を要し1300コマに及ぶ大作が誕生した。
ストーリーは「主人公は真面目で不器用な父親と家族。ある日、電車で痴漢に間違われ逮捕された父親の様子を目撃した娘の友達によって噂が学校中に広がり、娘はイジメを受けてしまう。父親は会社内で、また、母親も近所から犯罪者の目で見られ、家族間にも亀裂が生じる。自暴自棄になり、ビルの屋上から飛び降りようとした父親が見た群衆はまるでアリだった。所詮、人はみな弱い虫であると悟った父親は生きていく事を決意。会社を辞め工事現場で働き、痴漢裁判に向かう父親と家族の運命は」というもの。
馬場俊英は「人間はみな弱い存在。時に不条理な現実の前で生きることを投げ出してはいけない。分かってくれる人がきっといる。MVの主人公が自分ならどう考えてどう生きるかを考えた時、大切なものが見えて来る気がした。真面目に生きる多くの方に観ていただきたい」と話し、鉄拳は「初めて弱い虫を聴いた時に馬場さんの優しい声に惚れ、そして弱い者達へのメッセージ性のある歌詞に感銘し、是非ともMV制作をしたいとすぐに返事した。馬場さんの伝えたい事を上手くパラパラマンガにできたかは分からないが、できるだけ多くの皆さんに観てもらいたい」と抱負を語った。