ビクターエンタテインメントの長山洋子が31日、来年迎えるデビュー30周年に先立ち、東京の浅草公会堂で満員の聴衆を集め記念コンサートを開催した。
長山洋子は84年4月、16歳の時にアイドル歌手として「春はSA―RA SA―RA」でデビュー。86年10月にはユーロビートに乗せたカバー「ヴィーナス」がヒット、88年の映画「恋子の毎日」主演など、歌手・女優としてキャリアを重ねた。93年、「演歌元年」のキャッチフレーズに乗せ「蜩―ひぐらしー」で演歌に転身。演歌界に新風を吹き込み、年末の各賞受賞はじめNHK紅白歌合戦への初出場を果たし、その後もヒットを連発した。31日のコンサート当日には、30周年記念曲第1弾「ほっとしてください」(清酒「黄桜・呑」CM曲)、彼女の十八番で、10歳の頃に始めた津軽三味線楽曲を集めたアルバム「帰心〜長山洋子 津軽三味線の旅〜」を同時リリースした。
コンサートは、歌手活動30年のヒット曲を中心にした内容。演歌転身後のヒット、“でもねポーズ”が話題となった「捨てられて」、将棋界の第一人者羽生善治をモチーフにした「たてがみ」、「蜩」を立て続けに歌い、80年代の代表的なアイドルソングコーナーでは「青い珊瑚礁」(松田聖子)、「少女A」(中森明菜)、「ダンシング・ヒーロー」、事務所(バーニングプロダクション)の先輩・小泉今日子の「なんてったってアイドル」、ステージでは約20年ぶりという「ヴィーナス」もドレス姿で披露。更に、津軽三味線がテーマの芝居「門付け兄妹旅」を演じ、代表曲「じょんから女節」では、長山が澤田勝姫(かつき)という名の名取である澤田流家元・澤田勝秋をはじめ一門の腕利き31名がバックを務めた。
アンコールは新曲「ほっとしてください」。「まだまだ30年、道半ばの私です。これからも皆さんの心に届くような歌を歌っていきます」と決意を新たにした。