日本コロムビアから5月23日にメジャー・ファーストアルバム「唄者(うたしゃ)」をリリースした上間綾乃が、東京・渋谷のマウントレーニアホールでライブを開き、集まった300人ほどのファンに同アルバム収録曲を中心に全18曲を披露し、沖縄出身の新たな歌姫誕生をアピールした。
同ライブは、今月9日の沖縄からスタートした全国6ヵ所のメジャーデビュー記念ライブツアーの東京公演として開かれたもので、6月19日に予定されていた大阪公演が台風のため7月18日に延期されたが、この東京公演は当初の予定通り全国ツアーのファイナル公演として行われた。
上間綾乃(うえまあやの)は、子供のころから親しんだ三線(さんしん)を弾きながら、沖縄民謡「デンサー節」をはじめ、アルバムから自作曲「声なき命」、沖縄の言葉で自ら訳詞した名曲「悲しくてやりきれない」のカバーや、同じく方言で訳詞した「太陽月ぬ光(てぃだちぬひかり)〜アメイジング・グレイス」、沖縄民謡の「安里屋(あさどや)ユンタ」「ひめゆりの唄」などを歌唱。その合い間には、「今年5月15日に沖縄返還40周年を迎え、この日=6月23日は、慰霊の日という特別な日です。ライブをやるべきかどうか悩みましたが、慰霊の日だからこそ歌わないといけない歌がある。戦後67年たちましたが、不発弾の処理など、いくさはまだ終わっていません。あの悲惨な戦争は二度と繰り返してはいけない」と涙ぐむ場面もあった。
(全文は2012/6/29発行の「連合通信レコード速報」に掲載)