日本音楽著作権協会(JASRAC)は25日、携帯電話専用の違法音楽配信サイト「第3世界」の運営者らに対して、同協会の管理楽曲を無断で配信利用し、著作権を侵害したとして、損害金1億7千万円余りの支払いを求める訴えを東京地方裁判所に提起した。
「第3世界」はユーザー数100万人超の国内最大規模の違法音楽配信サイト。同協会管理楽曲約2万曲を無断で不特定多数の者にDLさせていた。運営者らは08年に京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室により、著作権法違反の容疑で摘発され、京都地方裁判所で有罪判決が確定している。
運営者は、アフィリエイト広告等による収入として約1億2千万円もの多額の不正な収入を得ており、刑事事件の公判において、その収入を被害弁済に充てるとして情状酌量を求めていたにも拘わらず、一向に損害金の支払いをしないため、今回の提訴に至った。
なお、今回の提訴では、「第3世界」に対しレンタルサーバーを提供することにより運営者らの著作権法違反を幇助していた(株)エーウォーカー(兵庫県神戸市)及びその取締役であった者に対しても、運営者と連帯して損害金の支払いを求めている。「第3世界」は、エーウォーカーが運営する携帯電話向け無料ホームページ提供サービス「モバイルスペース」を利用してサイトのページを構築していたもので、同法人は「第3世界」において違法配信が行われていることを認識しながら、サービス提供を継続していた。
(全文は2011/05/27発行の「連合通信レコード速報」に掲載)