松竹は念願だった歌舞伎座の再開発に着工した。4月いっぱいでさよなら公演を大盛況のうちに終了、4月30日に閉場式を行い、その後解体、着工に入った。竣工は3年後の予定。歌舞伎座さよなら公演で活況をみせたものの、11月26日、歌舞伎界のプリンスといわれる市川海老蔵が酒の上でケンカ、大ケガを負うというトラブルに見舞われた。松竹では海老蔵に無期謹慎の処分を下したが、ル・テアトルでの正月公演を中止せざるを得なくなるなど演劇部門で大きな損失を受けた。歌舞伎座の再開発着工で松竹としては3年後の竣工を控えて演劇部門の外部公演に力を入れていた矢先だけに、海老蔵事件のショックは大きかった。
(全文は2010/12/27発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)