東映岡田裕介社長は年頭挨拶で平成25年度経営方針を次の通り発表した。
▽全般=総合映像企業グループへの再編成と収益構造の安定強化1.コアビジネスの好調維持に慎重に取り組み、グローバル展開を意識した新規開拓を図る2.映像産業のデジタル化に伴う事業環境の変化や新規メディアに対するウィンドウ戦略に全社を挙げて積極的に取り組む3.次代会計システムの新規運用による管理の効率化と資産の有効活用を精査する4.時代の変化に対応した適正な人材配置・登用を行い、業務の活性化を図る5.先行き不透明な経済環境において経費節減を徹底する。
▽各部門
〈映画企画部門〉
1.ヒットを意識した娯楽作品の量産および大型作品の企画創出を目標に企画立案体制の強化を組織的に図るため、社内ならびにグループ間の連携を強化し、各メディア、クリエイター、俳優事務所等との渉外体制を構築する2.作品規模に見合う製作費を精査し適正な出資を心がけるとともに、迅速かつ確実な出資会社との契約を図るため、担当プロデューサーとの連携を強化する3.東西両撮影所の特色を生かした営業体制を推進し、デジタルセンターとの一貫した製作体制を構築するとともに、プロデューサーやクリエイター個々の人材育成を図る
〈映画営業部門〉
1.社内各部門・グループ会社との連携を引き続き強化し、放送・出版メディアほか社外企業との提携を深める営業・宣伝体制の構築と強化を図る2.企画プロデューサーとの連携を密にした宣伝戦略を構築し、最大限の宣伝効果を図る3.バラエティに富んだ番組編成を迅速化し、宣伝費を主とする予算の精査執行を徹底して収益の安定化を目指す
〈ビデオ営業部門〉
1.市場環境の変化を的確に把握し、迅速に対応するべく適切な営業施策を実施する2.安定収入を確保するためのコンテンツ確保の更なる強化を図り、需要にあった商品企画、編成の立案を東映ビデオと連携し推進する3.セル市場の新規販路を拡大する
〈テレビ営業部門〉
1.連続ドラマ枠の長期シリーズ化を狙うとともに単発ドラマの更なる受注増を目指す2.商品化権営業のマーケット拡大と歴代ヒーローキャラクター復活および再構築を図る
〈映像版権営業部門〉
1.東映ブランドの魅力を広くアピールし、デジタル時代の多様なメディアにおいて収益の拡大を目指す2.ビジネスパートナーと連携しコンテンツの確保・企画に努め、新たなコンテンツビジネスモデルの構築を積極的に推進する3.コンテンツ流通における機械喪失や第三者の違法収益を阻止するため、著作権侵害に厳しい姿勢を示しコンテンツ価値の保全を図る
〈国際営業部門〉
1.海外市場の拡大・開発による輸出収入増を目指し、日本コンテンツの海外での認知強化のためのメディア・ソースの確保を行政とも連携して推進する2.欧米マーケットにおいて、パワーレンジャーに次ぐボーイズ・フランチャイズ・コンテンツのローカライズ版製作に着手し、新たなる収益の確保を図る
〈教育映像営業部門〉
1.市場にあった自主作品の制作ときめ細かな営業の展開により収入を確保する2.顧客への魅力ある企画を提案し、原価の徹底管理により受注利益を確保する3.手持ちのコンテンツの活用などにより新規市場を開拓し収入を確保する
〈事業推進部門〉
1.キャラクター関連催事は新たなビジネスモデルの確立に向け、海外戦略の着実な推進とキャラクター版権を活用した新規事業の開発に注力し、収益の維持拡大に努める2.国際文化催事・サブカルチャー催事・一般催事は新しいジャンルへ積極的に取り組み、企画ラインナップの充実を図るとともに、収益力の高い新商品の開発による催事物販収入の増大に努める3.東映グループの総合力を生かした新規事業の開発・コラボレーション企画の立案のため関係各部門との連携を強化する4.ヒット企画創出に必要なノウハウ・語学の修得と個々のスタッフのスキルアップを図るため、研修や実地体験等の機会を通じてイベントプロデューサーの早期育成に努める
〈不動産営業部門〉
1.京都太秦地区再開発計画の積極的な推進を継続する2.不動産事業の堅実な運営と安定的な収益の確保を図る3.各賃貸施設の建物・諸設備の適切な管理と効果的なリニューアルを実施する
〈ホテル営業部門〉
1.収益の確保による安定した経営を確立する2.エンタテインメント&サプライズをコンセプトに食の充実と差別化商品の開発を推進し、営業を強化する3.市場ニーズに対応したインフラと情報発信環境を整備する。