第57回「映画の日」中央大会は11月30日(金)午後1時から東京會舘で開かれ松岡功「映画の日」執行委員長の挨拶に続き、永年勤続功労章受章者63名の表彰、特別功労章が亀山千広氏(フジテレビ常務取締役)、高野悦子氏(岩波ホール総支配人)、森田芳光氏(映画監督・故人)、山田五十鈴氏(女優・故人)の4人に贈られた他、富士フィルム株式会社に対しては感謝状が贈られた。なお、松岡功実行委員長の挨拶は次の通り。
(前略)本年の映画界は、ここ数年続いてきたデジタル化がいよいよ最終段階に入り、昨年末に全体で約60%であった設置率が、本年末には85%を超えると予想されます。デジタル化の成果として、フィルムがなくなったことによる経費の削減や自然環境への貢献のほか、比較的配給が容易になったことで、公開作品本数も多くなってきており、映画館のお客様へより多岐にわたる作品を提供できるようになってきたようです。
映画館数としましては、シネコンの新規オープンも一段落し、全体としましては昨年にくらべ50スクリーンほど減り、本年末には3、290スクリーン前後になるとの報告を受けております。
国内映画興行の状況につきましては、現在までの上映作品をみると、今年も昨年同様100億円を超える作品はございませんでしたが、邦画は「BRAVE HEARTS 海猿」が70億円を超え、「踊る大捜査線 1続 THE FINAL 新たなる希望」や「テルマエロマエ」の60億円などに加えて、11月17日公開の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」も素晴らしい成績をあげるなど、引き続き好調を維持しております。一方の洋画は、「ミッション・イン・ポッシブル ゴーストプロトコル」の54億円、「バイオハザード? リトリビューション」の38億円、「アベンジャーズ」の36億円などが上位作品で、昨年は「ハリーポッター」の97億円や「パイレーツ・オブ・カリビアン」の89億円があったことなどに比べますと、ますます洋画は厳しくなってきた印象がございます。しかしながら、邦画洋画を合わせてみますと、本年10月までの統計では、洋画の落ち分を邦画が補うことで、昨年対比で約104%となっております。11月の興行や正月作品のラインナップをみますと、最終的にも昨年を上回る可能性が高いと予想されます。
本年も残り1ヶ月となりましたが、政府が先日発表した11月の月例経済報告では、世界経済の減速による影響で、個人消費も低迷し、日本経済はさらなる景気後退局面に入ったとの見方が強まっており、加えて、衆議院の解散による総選挙も間近に迫り、文字通り師走の慌ただしい年の瀬となりそうです。
そのような中、本日、ご臨席の経済産業省、文化庁におかれましては、本年も第6回JAPAN国際コンテンツフェスティバル並びに第25回東京国際映画祭への変わらぬご支援を賜り、大変心強く、深く感謝するとともに、映画界としても総力を挙げて、積年の目標である入場者数2億人に向けて、引き続き努力したい所存です