東映では山本謙一原作の第140回直木賞受賞作品「利休にたずねよ」(PHP文芸文庫刊)の映画化を決定、田中光敏監督、歌舞伎俳優の市川海老蔵と中谷美紀の出演で11月5日、東映京都撮影所作品としてクランクイン、京都・滋賀を中心にオール関西ロケを敢行する。撮影に当たっては東映京都撮影所美術チームが集結し、本物にこだわったクオリティの高い映像を追求していく。公開は2013年12月の予定。
2007年にフランス芸術文化勲章のシュバリエを受章し、近年、活躍の場を世界に広げる市川海老蔵。その妻・宗恩(そうおん)を「嫌われ松子の一生」で日本アカデミー賞最優秀女優賞を受賞し、「ゼロの焦点」「阪急電車〜片道15分の奇跡〜」など高い演技力に定評のある中谷美紀。世界で活躍する歌舞伎界のスターと、日本女性たる名女優が初共演、エネルギッシュ溢れる千利休の美への熱い情熱と、利休に秘められた“謎”が明かされる。監督の田中光敏は「化粧師」「火天の城」などを手掛けている。
市川海老蔵のコメント「利休が登場する作品は多くありますが、茶聖として描かれることが多かったと思います。しかし、利休の本当の魅力は、彼の人間性、狂気と思えるほどに、美しいものを追い求める情熱にあったと私は、想像しています。きっと美にかかわることであれば、ときには天下人である秀吉に対しても冷たい目で一瞥するような瞬間もあったのかもしれません。また、2年以上前から、長きに渡って変わらずオファーをいただいたことに大変感謝しております。私に期待されているであろう、抜き身のごとく鋭い感性を持った千利休を表現できれば役者冥利に尽きます。」