東宝の6月及び2011年上半期(1〜6月)の興行収入が出揃った。それによると、6月は36億6、361万3、600円で前年比96・3%とわずかに下回ったものの1〜6月上半期累計では292億6、444万9、800円となり前年比116・3%と上回っている。同社は昨年、2010年は年間興行収入748億6、961万2、938円をあげ歴代興行収入新記録を樹立しているだけに、東日本大震災、それに伴う福島原発事故による電力不足等々悪条件の中で昨年を上回る成績をあげていることは特筆に値する。
但し、昨年2010年は、7月が125億9、160万1、558円、8月が111億4、167万6、570円と夏場2ヶ月連続して月間興行収入が100億円を突破しており、7、8月を前年並みに乗り切れるかどうかが記録更新の大きなカギとなってきそうだ。そのカギを握るのが7月16日(土)から公開する「コクリコ坂から」、劇場版ポケットモンスターベストウイッシュ「ビクティニと黒き英雄ゼクロム」、同「ビクティニと白き英雄レシラム」(2作品を別々に公開)のアニメ3作品だ。スタジオジブリ作品「コクリコ坂から」は「ゲド戦記」に続く宮崎吾朗監督作品だが、前作「ゲド戦記」は76億円の興行収入をあげるヒットとなっており、東宝では同程度の成績を期待している。また「ポケットモンスター」は初の2作品を同時に別々に公開するという試みであり、2作品合わせて前作を上回る成績を期待している。
(全文は2011/07/15発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)