文化放送の三木明博社長は1日の2011年度入社式で要旨次のように挨拶した。新入社員は新卒2名、中途採用1名。
一、今、私たちの国は、震災、津波、原発事故といった、人類史上、日本のような近代国家として初めての経験をしている。その真っ只中に当社に入社したということで、皆さん一人一人、胸に秘められた思いがあると思う。しかし、日本はこの災害を乗り越えて、新しい国のあり方、社会のあり方、人の心のあり方、何よりも規律を守り、節度を持ち、心豊かに人のことを思いやる、そんな新しい国家、新しい日本人として再生すると信じている。
一、メディアの世界は、インターネットの急速な発達によって、多メディア化、グローバル化といったかつてないような激流、奔流の中でもがき苦しんでいるのも事実だが、メディアもラジオも、当社も、この難局を必ず乗り切っていけると信じている。
一、今回の大震災の中でもネット上に様々な根拠のない流言飛語、あるいは情報といったものが氾濫し、無秩序に掲載されている。少し前には、大学入試に不正が行われる悲しい出来事があった。
一、今はネット社会ではあるが、ここにきてネット社会の光と影が露呈しつつあるのも確かな事実だ。こうしたネット社会は、グローバル化、多メディア化、そして変化の激しい複雑怪奇で困難な社会であり、こうした時代におけるメディアの最大の使命は、たくさんの情報の中から我々の判断と責任において情報を取捨選択し、公共性の名のもとにきちんと伝えていくことであると思っている。
(全文は2011/04/11発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)