NHKの福地茂雄会長は2日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、現在の3か年経営計画は後半に入っている。今年度の計画の支払い率、受信料収入についても目標を達成できる見込みがついてきた。過去最高の収入になると思う。厳しい環境の中、大変有り難いことだと思っている。第4期末までで契約総数は33万8000件の増加で年間目標に対する進捗率はおよそ96・6%となる見込み。全額免除の申し出が依然として高いが、目標達成に取り組んでいきたい。接触者率は、6月の全国調査では74・5%で大きな変動はなかったが、9月に行った別の放送評価調査ではNHKの放送に「親しみを感じる」が53%で、その他の指標も前年度の平均を上回っており、確かな手応えを感じている。放送関連の中で、大相撲名古屋場所の中継を中止し、賛否いろいろな意見があったが、間違いはなかったと確信している。ただ、その後に報道局スポーツ部の記者が取材先に不適切なメールを送るという極めて遺憾な事案が起きて、以降改めてコンプライアンスの徹底を進めているところだ。参議院選挙については、正確かつ迅速な報道という責務を全うしてくれた。「2010FIFAワールドカップ・南アフリカ大会」は日本代表チームの試合・カメルーン戦、オランダ戦を生中継し、大変よく見ていただいた。総合テレビ朝の午前8時の連続テレビ小説と「あさイチ」の改定も視聴者の皆さまにしっかりと受け入れられた。大河ドラマ「龍馬伝」は新しい龍馬像を描き、若い方々にもよく見られた。これから始まる「坂の上の雲第2部」、大河ドラマ「江」に期待していただきたい。また、大晦日の第61回「紅白歌合戦」は歌が持つ「人と人をつなぐ」という根源的な力を番組を通してもう一度見つめるという次の時代にふさわしい姿を見せてくれるものと期待している。テレビ放送の完全デジタル化が来年7月24日に迫り、正念場を迎えているが、送信側の責任を十分果たしていきたいと考えている。今、23年度の年次計画、事業方針を作っている。3か年経営計画の最終年度なのでいろいろ工夫していかないといけないが、国会でご承認いただくことに取り組んでいく。
(全文は2010/12/06発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)