文化放送の三木明博社長は1日の記者会見で現況と今後の対応などにつき要旨次のように語った。
一、平成22年3月期の決算は営業収益は84億17百万円で前期比92・4%。内訳は放送収入が52億36百万円で91・1%、制作収入が18億2百万円で89・8%、番組販売収入が5億94百万円で105・2%、不動産賃貸収入が7億84百万円で98・8%と大変厳しい状況。営業損失は8億11百万円、経常損失は5億99百万円、当期純損失は30百万円という厳しい結果となった。売上げの減と売上げを支える商品力である番組の聴取率が期首に想定した数字に届かず一進一退を繰り返している。
一、厳しい状況の中で我々のなすべきことは明確に出てくる。総広告費が飛躍的に伸びること、ラジオ広告費が取り戻すことは残念ながら難しい。限られたラジオ広告費のパイの中で我々自前のシェアを高めること、このために商品力を高めること、今後の改編対応も含めて改善に全力をあげる。また、様々な手法を駆使して放送事業以外の新しい収益の多角化を図る。今期の大きな課題はシェアの拡大と収益の多角化である。
一、役員については任期は1年にしているが、文化放送については、ラジオのデジタル化を控えた大事な時期であり、現役員体制で臨む。
一、4月の個人聴取率結果は、セッツ・イン・ユースは2月と同じだったが、当社は残念ながら0・1ポイント下げた。しかし、実際値は四捨五入がある。中身的には月曜〜金曜の朝の「吉田照美ソコダイジナトコ」が大幅に数字を上げて良い傾向。月曜〜金曜の午前中は数字を持ち上げている。アニメ関係も10代・20代を中心に高い支持を得ている。新番組「グッチ裕三 日曜うまいぞぉ」については前のワイド番組に比べて数字を上げている。
一、編成・営業でICT技術に対する社内的なスキルを高めることが必要であり、iSP(iセールス&iプロモーション)委員会を設置した。より一層時代に即応した展開を図っていく。
(全文は2010/6/2発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)