放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)は5日、事案「上田・隣人トラブル殺人事件報道」に関して、権利侵害申立てに関する委員会決定を発表した。
申立人は唐木ゆかり、被申立人はテレビ朝日。苦情の対象となった番組は、2008年12月23日の「報道ステーション」内で午後10時48分過ぎから約15分間放送した特集「身近に潜む境界トラブルの悲劇 住宅地の惨劇はなぜ起きた」。
委員会決定の概要は、テレビ朝日は、2008年12月23日放送の「報道ステーション」において、同年11月に長野県上田市で夫婦が殺害され、隣家の男が逮捕された事件を取り上げ、特集「身近に潜む境界トラブルの悲劇 住宅地の惨劇はなぜ起きた」を放送。これに対して、申立人は(1)本件放送において、申立人の両親である被害者夫妻が長年にわたって加害者やその親族に対して嫌がらせをしてきたことが加害者の殺害の動機を形成したかの真実に反する内容が放送されたことによって、被害者夫妻及びその子供である申立人自身の名誉が毀損され、あるいは申立人の被害者夫妻に対する敬愛追慕の情が侵害された、また、(2)本件放送が近隣住民から聴取した内容の真実性等に十分配慮することなくそのまま放送したことは、事実を正確に、かつ公平に報道すべきであるという放送倫理に違反すると主張して、放送内容の訂正と謝罪を求めて申立てを行った。
(全文は2010/8/6発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)