フジテレビの豊田皓社長は3月29日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、1月クールは厳しい状態が続いている。視聴者の支持を得た番組もあったが、再生という感じではない。現状我々はチャレンジャーであるので、前向きに挑戦していきたい。厳しい中で、「笑っていいとも!」などが復調傾向にある。スタッフを若返らせ、番組コーナーなども刷新した効果が出てきている。
一、4月改編は、ドラマを導火線にして、バラエティを含めたレギュラー番組のアップを狙っていく。ドラマの中心となるのが、月曜9時「ガリレオ」。視聴者の方々の期待度も高いと思われるので、ここから反転攻勢に出ていきたい。さらに水曜10時の「家族ゲーム」。かつて「ショムニ」などを放送していた枠だが、この時間帯はドラマを見るのに適している時間帯だと思うので、新たな気持ちでがんばっていきたい。バラエティも「ピカルの定理」を水曜8時に移行するのをはじめ、新番組では木曜11時の「アウト×デラックス」、金曜8時「人生の正解テレビ」、日曜9時「あすなろラボ」をスタートさせる。じっくりと育てていきたい。
一、2月が確定した。ネットタイムは前年比101・1%、ローカルタイムは90・7%、スポット87・1%でトータル93・8%。ネットタイムはレギュラーセールスで苦戦したが、単発番組ががんばり、前年超えとなった。スポットは厳しい状況が続いているが、アベノミクスの影響で業績が上向いているスポンサーもあるので、今後に期待したい。トータルの通期は昨年をやや下回る見通し。
一、「遺体〜明日への10日間」は公開5週目に入り、動員22万人、興行収入2億6200万円。春休みに入り公開館数は減少したが、4月以降は再び増える予定。「ストロベリーナイト」は公開9週目、動員171万人、興行収入21億1000万円。「ワンピース フィルム ゼット」は公開15週目、動員563万人、興行収入68億2000万円。配給の東映の記録を塗り替えた。配信事業では、昨年11月に配信を開始した「テルマエ・ロマエ」がセル・レンタル合わせて約4ヶ月間で累計20万件を超える売上げを記録した。邦画の配信史上最高記録を更新中。続編も4月にクランクインする。
一、現在、東京スカイツリーの受信テストを集中的に行っている。3月28日までに要対策世帯数は約6万6000件となった。総数がどのくらいになるか、はっきりとは言えないが10万世帯前後ではないかとみている。抽出は順調に行われているので、5月末までにはめどが立つと思っている。
一、4K、8Kテレビについては、日本全体を考えると、テレビ技術の進歩に対しては一緒になって進めていくことが望ましいと考えている。後は受像機の価格がどこまで安くなるかがカギ。次世代放送推進フォーラムも立ち上がるので、技術の進歩に対してはきちんと対応していきたい。
一、タイで行われたドラマフェスティバルには「大奥」などを提供したが、評判が良かったと聞いている。日本のタレントが空港で大歓迎を受けたり、イベントには1000人を超える現地メディアやファンが詰めかけるなど、日本のドラマに対する期待は高い。これから少しずつ、ソフトを提供していきたい。文化交流は大切なことなので、力を入れていきたい。