テレビ大阪の立岩文夫社長は4日の年賀会で要旨次のように挨拶した。
一、開局30周年だった昨年は、しっかりとした数字が徐々に出てきている。10月クールはスポットが前年を上回り、在阪5局の中では我が社が最も良かった。視聴率も10月クールはゴールデンが4・4%と2009年1月以来の高い数字をマークした。
一、寺田寅彦の「科学者とあたま」という随筆には、こういったことが書かれてある。「いわゆる頭のいい人は、いわば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かないところへ行きつくことができるかわりに、途中の道端あるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。頭の悪い人、足ののろい人がずっと後からおくれてきて、訳もなくその大事な宝物をひろっていく場合がある」。
一、我が社もこの1、2年の間でうまくいっていたこともあるが、見落としてきたこともあるかもしれない。そういうことを今年は大事に見ていきながら進めていきたいと思っている。
一、足が速くなければいけないし、物事を決めるのはスピーディーでなければいけないけれど、きちんと見ていく。わき道にある宝物をきちんと探していく。そういう風に慎重に全体を見渡しながらいく1年でありたいと思っている。