TBSテレビのメディアビジネス局メディア開発部(小林成年部長)の2012年度上期概況と下期対応は次の通り。
前年度に引き続き、インターネット回線(特にモバイル回線)でもマイクロ波・SNGに劣らない画質と信号遅延で中継できることを最終目標に、メーカーと協力して機器開発と運用ノウハウの蓄積を重ねた。
今年度はネットでのライブ配信のみならず、地上放送やBSの生中継でもモバイル回線が利用される機会が多く、ネットでの経験で培ってきたノウハウ(特に携帯キャリアの末端回線特性に関する知見)を生放送に活かすことができた。下期も中継制作やライブイベントの受注機会を増やすと共に、長距離無線LANなどの新兵器も動員し、さらなる収入増を目指すとしている。
大学サイネージ「キャンパスTV」は、各大学の生協に設置しているディスプレイ端末に携帯電話用の3G回線でコンテンツを送り届けているため、各々の端末ごとに通信機能・コンテンツ蓄積機能が必要。また、各端末がばらばらに自走式で動作するため、たくさんの画面を同期して表示させることも困難だった。これらの欠点を補うべく、2012年の「夏サカス2012〜笑顔の扉」では、サイネージとエリア放送を連携させる試みを行った。
「キャンパスTV」の表示端末に親機と子機を設け、親機には通常通りの通信で、親機から子機へはエリア放送でコンテンツを配った。当然ながら子機は通常のテレビ受信機で済むので、大規模ディスプレイ郡(いわゆる巨大クラスター)を効率的に構築することができる。万一の災害時にはエリア放送で緊急情報を告知することもできる。なお、適材適所、この方式を採用していくことで、「キャンパスTV」の収益増を図るとしている。