テレビ朝日の早河洋社長は11月27日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、4月クールの4冠、年度上期のプライムトップなど、開局以来初めての好成績を残すことができた。年間の集計では、全日、ゴールデンは目下、日本テレビがトップで、当社がこの数字を抜くのは難しい状況である。しかし、プライムはトップの可能性があるので、非常に厳しい戦いではあるが、年末に向けてラストスパートをかけていきたい。
一、これが終わっても年度の戦いが残っていて、正月クールもチャレンジャーらしく攻め続けていきたい。また、少し先のことではあるが、2013年度は経営計画「デジタル5ビジョン」の最終年度で、開局55周年の記念期間と重なっている。今の流れに乗って1年を通じて善戦、健闘できるように願っている。
一、いずれにしても、ここまでトップ争いができるのは初めてのことで、制作現場も自信を深めていると思う。一方で、チャンピオンになるということ、トップになることの難しさを、ハードルの高さを、あるいは上位局の強さを体感しているのではないかとみている。今年の体験というのは次のステップに必ず活きてくると確信している。
一、10月についての営業状況は、タイムが前年比93・7%、スポットが93・4%、トータル93・5%で確定した。11月はタイムが94%プラスアルファ、スポットが100%プラスマイナスアルファ、トータル97%プラスアルファで推移している。12月に関しては、現状、タイムが94%プラスマイナスアルファ、スポットが95%プラスマイナスアルファ、トータル94%プラスアルファで推移している。
一、タイムは11月に続き、大型単発番組、年末特番のセールスがポイント。特に「フィギュアスケートGPファイナル」に期待している。スポットは11月に引き続き需要が旺盛で、停滞から脱したかのように感じている。例年のことだが12月はボーナス商戦とクリスマス商戦により混み合うという感じになるが、今年も中旬までの需要が特に集中している状況だ。11月に続き前年の水準を上回る売上げを確保していきたい。
一、トップレベルで1年間戦えたのは大きな収穫だったと思っている。1クールは4冠だったので、そういうものが1年間続けばいうことはないが、50数年の歴史の中ではこういうトップ争いをやったというのは初体験だった。それが社員に大変良い影響を与えて、相乗効果的にモチベーションが上がって大変元気で明るい雰囲気になっているというのが一番の収穫ではなかったかと思っている。
一、2014年2月が開局55周年になる。2013年2月1日の開局記念日から1年2か月間、55周年記念期間として大型ドラマとかバラエティSPなどを投入していくことにしている。スポーツは4月にフィギュア国別対抗、ワールドチームトロフィーがあり、年末にはグランプリファイナルが福岡で開かれる。夏には世界水泳も開かれる。効率的に編成して、今年を上回る成績が上げられれば良いと思っている。
一、今年の振り返りでいうと、営業的には、連結・単体ともに増収で、営業あるいは経常利益ベースで増益(上期)だった。スポットも過去20年で最高の半期シェア21・7%、プラス0・3ポイントで頑張ってくれた。タイムは人気バラエティを中心に単価アップもできた。
一、コカ・コーラがオリンピックを契機に行ったキャンペーン「コカ・コーラ チャレンジ」コンペで提案型営業が成功した。
一、広告外ではKDDIとのauヘッドライン、それに旧来からあるニュースEXのモバイル・サービスが順調に推移している。テレ朝動画では「ももクロChan」が半期の過去最高の収入を得たということで、「ももいろクローバーZ」は紅白への初出場も決まり、いい展開になってきている。DVDは「アメトーーク!」が累計200万枚を突破する驚異的な成績を上げている。「ドリームフェスティバル」という「ミュージックステーション」から生まれたイベントも大成功。また、マスコット・キャラクターのゴーちゃんがサンリオキャラクター大賞第9位にランクインして、来春からグッズなどのビジネスがサンリオ直営店200店舗で展開することになっている。いろいろな面でここまでは手応えを感じた1年だったと思っている。