フジテレビの豊田皓社長は11月29日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、10月は1〜7日週にプライム1冠、15〜21日週にゴールデン・プライム2冠という結果。11月に入ってからも、1月2日からの年間視聴率も3位。これから巻き返しを図りたい。厳しい状況が続いた1年だったが、底は見えたと思う。対策をとりやすい状況になったので、明るく年末を迎え、正月以降の番組に挑戦していきたい。10月、1月、4月と3段階の改編で反撃したいと考えており、1月、4月に期待している。当社は、映画、イベントも好調、MD、デジタル事業も順調に推移しているので、気持ちの上ではバタバタした感じではない。反転攻勢にとりかかるための1年だったと思う。
一、10月は確定した。ネットタイムは前年比93・3%、ローカルタイムは84・5%、スポットは83・3%でトータル87・7%。第3四半期に入って流れとしては、10月に比べ11月が少し回復、11月に比べて12月がさらに回復しているので期待して取り組んでいきたい。昨年は「ワールドカップバレー」という大型のスポーツイベントがあり、ネットタイムが下がるのは想定内だが、最小限の減少で抑えられている。年末恒例の「FNS歌謡祭」(12月5日放送)は即完売で好調なセールス。「THE MANZAI」もほぼ完売。スポットの状況と併せ12月は回復基調。そのほか政党スポットの出稿もあり、活況の一因となっている。
一、映画事業は、「任侠ヘルパー」は公開12日で動員34万人、興行収入4億2000万円
。「終の信託」は公開33日目、動員28万人、興行収入3億円。「踊る大捜査線 THE FINAL]はムーブオーバーに入ったが、今も全国300館で上映中。公開83日で動員が460万人、興行収入58億8000万円。60億円超えを目指して頑張っている。今後は、「ONE PIECE FILM Z」(12月15日公開)、「ストロベリー・ナイト」(来年1月26日公開)等が控えている。「テルマエ・ロマエ」はVOD市場でも好調。週末配信成績で邦画歴代1位を獲得した。
一、「ツタンカーメン展」は11月28日までの総来場者数が82万1051人。東京と大阪併せて175万4181人となり、これまで日本で開催された「ミロのヴィーナス特別公開」(1964年、来場者172万2292人)を抜き、日本の美術展史上2位となった。会期は来年1月20日までなので、さらにプロモーションしていきたい。
一、フジテレビオンデマンド(FOD)は、10月クールのドラマ配信は、「TOKYOエアポート」と「高校入試」が安定して売上げを伸ばしている。ドラマ以外では「アイドリング!!!」も好調。4月2日からスマートフォンでの対応も始まり、コンテンツ購入ユーザーがスマートフォン、PCどちらでも見られるということで、さらなる広がりを期待している。民放キー局各社と電通で取り組んだ「もっとTV」もサービス利用者が少しずつ拡大している状況。順調に推移している。
一、上期は増収増益。後半はスポットの収入が厳しいことから減収だったが、スタートダッシュが効いた。映画の「テルマエ・ロマエ」や「BRAVE HEARTS海猿」の大ヒットが貢献した。後半、放送収入は厳しかったが、その他事業が頑張った。当社も頑張ったが、BSフジやサンケイビル等連結会社が大いに貢献して増益になった。ホールディングスになって5年。早く移行してガバナンスを強めたのが良かった。通期予想は不透明な経済状況の中、慎重な見通しを立てているが、増収増益を見込んでいる。日本経済が立ち直れば放送収入に反映する。景気の早期回復が望まれる。