日本テレビの大久保好男社長は29日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、22日週の視聴率は3冠王を獲得した。プロ野球のクライマックスシリーズや日本シリーズが視聴率に貢献した。週間3冠王は年間で17回目、昨年同時期は7回で大幅に増えている。視聴率は全体的に好調であるが、ライバル局も追い上げてきているのでひとつひとつ気を抜かずに質の高い番組をつくって、いい意味で各社で競争し、テレビに対する視聴者の皆さまの期待に応え、番組の質も高めていきたいと考えている。
一、10月の月間視聴率は当社は全日、ゴールデンが1位、プライムが2位。10月の改編は視聴率は期待したほどではなかったということになるが、全体としてはまずまずというところで進んでいると思う。それぞれの番組がこれから伸びていくことを期待している。
一、視聴率以外のところでも当社の番組が評価されている。「国際ドラマフェスティバルinTOKYO」で「家政婦のミタ」、「妖怪人間ベム」が様々な賞を獲得している。また、技術部門でも民放連盟賞で最優秀賞をいただくことができた。当社の技術陣の開発力を高く評価していただいている。
一、営業状況については、上半期の傾向全体としては、タイム、スポットとも放送収入は前年同期をかなり上回っている。タイムはレギュラーのカロリーアップ、ロンドン五輪等の大型単発もあり好調だった。スポットも前年に比べて大幅に上回っている。当社の上期のスポットのシェアは前年同期に比べて4ポイント増えて25・4%という水準でまずまずのセールスだった。
一、下半期はタイムに関しては、10月のレギュラーが新番組を含めて順調にセールスしている。問題はスポットの方だが、9月の売上げは前年をかなり下回って93%台、10月も苦戦しており90%に届かない状況だ。11月は若干持ち直していると思うが、それでも前年には届かない状況だ。その先は不透明な状況で、広告市況全体がどうなるか、今の段階では見通しが立たないという状況だ。
一、放送外収入については、映画「ツナグ」は公開23日間で観客動員数は106万人ということ、興行収入は12億円を超えている。まずまずの規模だと思うし、期待通りの成果をあげていると思う。「009RE:CYBORG」は2日間で観客動員数は4万2000人で順調なスタートと言える。夏休みを中心に公開された「おおかみこどもの雨と雪」は100日間で観客動員数340万人、興行収入は41億7000万円で大ヒットだった。
一、この後、当社の映画では「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q]、「綱引いちゃった!」、12月には「映画 妖怪人間ベム」が始まる。このように毎月新作を投入していくので、ぜひ見ていただきたい。
一、10月からのホールディングス化でグループ全体の経営戦略会議がスタートし、傘下の9社の社長がグループ全体の今後の経営について討議を始めている。また、内部統制をグループ全体で進めるなど様々な動きが出ている。この先、様々な形で各社の持っている資源の有効活用、連携を強化して、ホールディングス化した実績をあげていきたいと思う。どのような理念でグループ全体を経営していくかは、同じグループ内でありながら、各社が独立した状態で、同時に企業間の連帯感を強めていきたいと考えている。
一、iPS細胞関連の報道については、一部に誤報の内容があるということで、お詫びの放送をするとともに検証放送を行い、経緯と再発防止について伝えている。また、社内のルールに則って関係者の処分を行った。