TBSテレビの武田信二専務は10月31日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。

一、10月23日放送の「火曜曲!」において発生した放送事故については、視聴者の皆様、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。事故後、視聴者の皆様から今後の放送予定について、多数のご要望・お問い合わせをいただいている。こうした事態を重く受け止め、当該事故で放送できなかった番組内容は12月4日の「火曜曲!」の中で再構成し、放送させていただくことにした。事故の原因は、放送用データの不具合によるもので、すでに対策はとっており、今後、同様の事故の再発防止に万全を期す。
一、尼崎市の連続変死事件に関する報道で、角田美代子被告、角田瑠衣被告についてふれた際、事件とは関係のない別の方の写真を使っていたことが分かった。こちらについても、視聴者の皆様、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。
一、10月改編は、マーケティング調査をもとに、曜日ごとの視聴者の特性を意識したラインナップを組んだ。11月は、10月改編番組を軌道に乗せ、勢いをつけて年末年始へつなげていくため、企画強化月間と位置づけている。11月には、レギュラーバラエティの3時間スペシャルや新企画の単発スペシャルなどを投入して視聴率アップを目指す。
一、上期のテレビ営業状況は、タイム、スポットともに前年実績を上回る着地となる。総収入では前年比およそ105%での着地をご報告できる見込みだ。ネットタイムセールは、レギュラー番組のセールスがほぼ前年並みで推移した。単発セールスについては、「バレーボールの最終予選」、「サッカーのEURO」、そして「ロンドンオリンピック」という大型スポーツ単発が相次ぎ、前年を上回る見込みだ。
一、上期のスポットは、第1四半期は前年の震災の影響による反動で大きく伸び、前年比118%となった。しかし、第2四半期はオリンピックの影響などもあって前年実績を下回り、上期トータルでは107%程度となりそうだ。
(朝2)続か一、下期については、先月の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断指数が3四半期ぶりに悪化した。昨日、日銀が2か月連続となる金融緩和策を発表したが、先行きは依然不透明なため、とにかくレギュラー番組の視聴率向上に努め、現場にはコストコントロールを徹底するように指示している。
一、映画は「天地明察」が10月29日までの公開45日で興行収入およそ8億8400万円と苦戦している。しかし、「のぼうの城」、そして来月の「大奥?永遠?」と時代劇の大作が続くので楽しみにしていただきたい。
一、赤坂ACTシアターでは、坂東玉三郎主演の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」が今月21日に大盛況のうちに幕を下ろした。今週の土曜からは「ぼくに炎の戦車を」が始まる。国立新美術館で始まっている「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」は好評をいただいていると聞いている。
一、スポーツバラエティ「SASUKE」の海外へのフォーマット販売は、ヨーロッパでの現地版制作に向けて、オランダの総合制作会社と契約の基本合意に至った。「SASUKE」はすでに157の国と地域で放送実績があり、世界的に人気を博しているが、アメリカや東南アジアに続いてヨーロッパ各国でも現地版制作が実現する運びとなった。
一、入江清彦TBSラジオ&コミュニケーションズ社長=10月15日からの首都圏ラジオ個人聴取率調査で、当社は連続首位の記録を更新しているものの、前回調査で大変厳しい数字が出ており低下傾向を食い止めたい。10月新番組については今回調査で数字が出ないが、新たなパーソナリティが新しいファン獲得に貢献してくれることを望む。
パソコンなどでラジオが聞けるradikoの利用データによると当社のピークは午後10時ごろから深夜にかけてで、月曜深夜「JUNK」は関東エリアのシェア70%を超えている。高齢世代を意識してケーブルテレビでのラジオ放送サービスも検討しており、接触チャンスの拡大も媒体価値再評価の重要テーマであると認識している。
上期トータル営業収入のスポットは対予算・対前年をクリアするものの、タイムの不振が大きく減収減益となった。10月に入りタイムは積み上がりつつあるが、逆にスポットは前年クリアが厳しくなっており、通期での業績も全く油断できない。
赤坂BL1TZでのライブ終演後にPC等でライブ音楽をダウンロードできる有料サービスが好評のため、11月から全国のライブハウスなどに拡大して同様のサービス「Live to GO」を展開する。シリアルナンバー入りカードの販売だけでなくチケットに特典としてもれなく配布するなど、バリエーションを持たせて行う予定で、このサービスについて現在特許出願中だ。