関西テレビはこのほど、フジテレビ、スカパーJSAT、アストロデザインの各社と共同で衛星中継(SNG)波を利用したIP伝送実験を実施し、双方向通信によるネット接続やファイル転送、片方向通信による多素材伝送の実験に成功した。
昨年の東日本大震災の取材では、中継や素材伝送にSNG波が主に使用されたが、系列で使うSNG波の回線には限りがあった。
このため、取材した素材伝送には回線が空くのを待たねばならず、取材時間や伝送時間にロスが生じ、携帯電話が通じない場所からの中継では、現場と本社間の情報伝達の難しさが浮き彫りとなった。
今回の実験では、SNG中継車にインターネットを利用できる環境を構築し、上り下りのSNG波2回線を使っての素材のファイル転送のほかに、フジテレビが開発した遠隔取材支援システム(Location Supporter、通称ロケサポ)を利用して、取材班の位置や放送中の低遅延映像をスマートフォンに表示できることを確認した。
(全文は2012/10/29発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)