フジテレビの豊田皓社長は9月27日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、8月はロンドン五輪中継があり、レギュラー番組は苦戦した。7月クール(7月2日?9月26日)の視聴率はゴールデン、プライム、全日すべて3位。7月は第1週と第3週が3冠王だったが、8月以降は8月第2週と第5週のゴールデン、プライム2冠に留まった。
一、今のフジテレビは、改めてチャレンジャーという位置づけで、新しいものに挑戦していく。そしてフジテレビらしいタイムテーブルを作りたい。その気持ちで10月改編に臨む。なかなか新しいものが根付くには時間がかかるので、じっくり見ていきたい。
一、ロンドン五輪では、女子マラソンなどの中継をさせていただいたが、国際映像で、飛ぶはずのヘリコプターも飛ばないなど制約も多かった。自分たちで映像を撮れれば、もっと良いものにできたと思う。「女子バレー3位決定戦」は放送できて良かったと思う。感動のシーンが見られた。28年ぶりのメダル獲得という歴史的な瞬間を視聴者にお届けすることができた。
一、8月の確定数字は、ネットタイムが前年同期比109・9%、ローカルタイムが99・2%、スポットが85・0%で合計が99・0%。上期は昨年が厳しかったこともあるが、その反動で103・6%の見込み。8月はロンドン五輪があったので、費用もかかったが貢献もした。スポットは苦戦しているが、まだタイムには影響は出ていない。日中関係や欧州危機、新興国の景気動向が良くないということで、各企業はかなり手控えているが、とはいえ国内市場で勝負していかなければならないという状況がある。今後、じっくりと推移を見ていきたい。
一、「踊る大捜査線 THE FINAL」は、9月26日までで300万人を動員。興行収入39億円でロケットスタートを切った。「BRAVE HEARTS海猿」は観客動員570万人で興行収入72億円。こちらも順調に推移している。「テルマエ・ロマエ」は観客動員470万人、興行収入59億5000万円、9月8日、トロント国際映画祭オープニングウィークのガラ・プレミアで上映し、キャパシティ2800席が即日完売する盛況ぶりだった。ほかの映画祭からもオファーを受けるなど、北米の公開に向けて大きな足がかりとなった。現時点ではイタリアでの年末公開の準備を急いでいる。8月31日から台湾で公開されたが、2種連続で1位と好調。「JAPAN IN A DAY」は震災から1年の今年3月11日の日常の1コマを募集したものだがついに完成した。それと「遺体〜明日への10日間〜」という、これも3月11日を取り上げた作品だが、意義のある作品に仕上がっている。この2作品を製作できたということは大変良かったと思う。
(全文は2012/10/03発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)