J-WAVEの斎藤日出夫社長は3日、社員に対し要旨次のような就任挨拶を行った。
一、社長が交代すると若返る場合が多いが、逆に10カ月ばかり上にいってしまった。しかしながら、J-WAVEを思う気持ちは誰にも負けないと思っている。そして今の時代に合ったいい会社を作りたいと思っている。いい会社とは「やりがいのある仕事がある会社」である。
一、私はJ-WAVEが開局する半年前にチーフ・プロデューサーとして入社した。今までにはないFM放送局を作ろうということで、独特の編成方針とフォーマットを編み出し、それを音に置き換え、番組という形で発信したところ、またたく間に東京のリスナーに受け入れてもらいナンバーワン・ステーションになった。以来、私は主に編成、制作を担当してきたが、これを私の強みとして、J-WAVEを引っ張っていきたいと思っている。
一、ラジオ業界を取り巻く環境は依然厳しいものがあるが、私はJ-WAVEをどのようにしていきたいのかと言うと、「J-WAVEをもっとJ-WAVEにしたい」、「J-WAVEをもっとJ-WAVEにする」ということである。J-WAVEらしさをもっともっと追求して、J-WAVEのブランド力を高めていきたい。では、ブランドとは何か。それは「リスナーからの信頼感」だと思う。J-WAVEのイメージは、「都会的な、おしゃれな、かっこいい、センスがいい」などと言われるが、しかし我々の方からこれをアピールしたことは当然ない。リスナーがJ-WAVEをきいて、感じてくれた印象である。これこそがブランドの力だと思う。そして、これこそがJ-WAVEの財産である。我々はこのリスナーからの信頼感を裏切ってはならない。「もっとJ-WAVEにしたい」というのはこういう意味である。
(全文は2012/07/06発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)