NHKの松本正之会長は9日の一般紙会見で現況などにつき要旨次のように語った。
一、NHKは従来から暴力団などと不適切な関係を持たないよう努めてきたが、公共放送の姿勢を示すため、4日以降、契約書を交わす出演者については契約書の中に暴力団関係者であることや暴力行為を行ったことなどが判明した場合直ちに契約を解除できる条項を盛り込んでいる。さらに、この度、契約書を交わしていない出演者についてもNHKのこの問題に対する姿勢を理解していただけるよう対応の「指針」をまとめた。NHKが出演者について暴力団の関係者などにあたると判断し、かつ、その出演が暴力団などの活動を助長するか組織運営に寄与するおそれがあると判断した場合、出演契約を直ちに解除することがあるというもの。狙いは、企業と暴力団などとの関係に社会の厳しい目が注がれる中、公共放送の社会的責任に照らし、出演が決まった後でもNHKとして取り得る対応を予めお知らせすることにある。出演のあり方は様々で、緊急に出演をお願いする場合など書面での契約を交わしにくい場合でも指針の内容をご理解いただけるよう努める。出演者の選定は番組の編集判断にかかわる問題であり、個別のケースごとの対応はその都度総合的に事情を勘案し、判断していく。
一、「指針」の周知は、出演の形態はいろいろあるので、台本と一緒に渡すとか、口頭でとか、掲示をして読んでいただくとか、様々な形があると思う。いずれにしても周知をしたうえで、それを前提に、何か起きた場合には適用できるようにしておきたい。
一、来年7月開幕のロンドンオリンピックで、BBC、オリンピック放送機構と協力してスーパーハイビジョンのパブリックビューイングを実施する。NHKは次期経営計画の重点目標のひとつである「創造・未来」に向けた取り組みとしてスーパーハイビジョンの研究開発を推進している。その魅力を海外も含めた多くの方々に体験していただく。
一、中央共同募金会、日本赤十字社、NHK厚生文化事業団とともに12月1日から25日まで「NHK歳末たすけあい」、「NHK海外たすけあい」を実施する。「東日本大震災義援金」も引き続き全国のNHKで受付を行う。
一、来年度以降の受信料の値下げによって収入が減るため、増収と業務の効率化の努力をすることにより、番組の質などに影響を与えないようにしたい。
(全文は2011/11/11発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)